北條知子は音・音楽・パフォーマンスの流動性において活動するアーティスト。
過去の隠された声を聴き、多様な方法で可聴化する。

北條知子は実験的な音、音楽、パフォーマンスの間の流動性において活動するアーティストである。近年は、歴史的に沈黙させられてきた(女性の)声を可聴化するというテーマのもと、オノ・ヨーコや川上貞奴といった欧米で名をはせた日本女性にかんするプロジェクトをロンドン、東京、ベルリンで展開している。個人での活動のほか、「Hojo+Kraft」としてスイス出身の音楽家・アーティストのラヘル・クラフトとともに、個々人の私的で隠された音と場所との関係を探るプロジェクトをおこなう。また、ジョン・ケージが提唱した記譜とシアターの問いをめぐるグループ「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」の企画者・出演者としても活動。1950年から1970年に発表された音楽家による音を用いた展示作品に焦点を当てた日本のサウンド・アート前史についての論文が、毛利嘉孝編「アフターミュージッキング」として、東京藝術大学出版会から 2017年に発売。

2015年に東京藝術大学大学院音楽研究科芸術環境創造領域を、2016年にロンドン芸術大学 ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション MAサウンド・アーツを修了。2017- 2018年のポーラ美術振興財団の在外研修員としてイギリス滞在中、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション
CRiSAPに訪問研究員として在籍。2019年アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)ニューヨーク・フェローシップ。

近年の活動に、Music From Japan Festival 2021での作曲家個展(スカンジナビア・ハウス、ニューヨーク、2021年)、さいたま国際芸術祭
サウンド・インスタレーション「Whiff」発表(旧大宮図書館、埼玉、2020年)、個展「Unfinished Unfinished」(soco1010、東京、2020年)、アルバム「Shinonome」発売(LINEレーベル、2020年)、パフォーマンス「Hover Over Man and Woman」(クンストクアティア・ベタニエン、ベルリン、2020年)、個展「声をひそめて」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2019年)、パフォーマンス「My Place/ My Sound」(京都芸術センター、京都、2019年)、個展「Lost and Found」(Kotolňa、コシツェ、スロバキア、2018年)、個展「Unfinished Descriptions」(Hundred Years Gallery、ロンドン、2018年)など。

アーティストステイトメント
CV